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太王四神記・サリャン二次元小説(2)幼いキハとの暮らし〜いっときの別れ [サリャン二次小説]

昨日naokoさんとROBOT-CAKEさんからレス頂いたら、
なんとなく書けそうな〜♪気がして書き始めてみました♪
え?ちょっと早すぎ?あはは〜(^^;)すいませんです。

〜おことわり〜
この二次元小説は
韓国ドラマ「太王四神記」をもとにして個人的に趣味の範囲内にて作成したものであります(^^;)
韓国自体に全く詳しくないので、時代考証、時代背景などなど多分めちゃくちゃです(^^;)
ある意味日本的な物語?になっているかもです〜。

このお話は以前書いた「サリャン二次元小説」の続きです。
以前のを読まないと話がわからないかと思います、
原作にない個人的な解釈とか登場人物とかいますので〜。
左側のマイカテゴリーの「サリャン二次元小説」をクリックして一番最初のを読んでからここを読まれることをおすすめいたします。



サリャンが、キハの世話を任されてから数日経った。

サリャンとキハはアブルランサからほど近い森のなかにある
庭の広い屋敷に住まうことになった。
別邸とはいえどその警護は全くアブルランサなみで、
朱雀の守り主を大事に思う大長老の意気込みが感じられた。

キハは、大人しい、おぎょうぎのよい、
そして聞き分けの良い手のかからない子供であった。
おそらくサリャンの義母であったひとは、
サリャン同様、幼いキハに対してもしつけを怠らなかったのだろう。
挨拶、返事、身の回りのことなどは
年齢相応以上にちゃんとできたし
食事のときのマナーもなかなか立派なものだった。

ただ、キハはなかなか笑おうとしなかった。
夜もなかなか寝付けず、
部屋の灯りを消すことを怖がり、
サリャンが添い寝しなければ絶対に寝ようとしなかった。
しかも夜中に突然泣き出すことも度々。
食も細く、殆ど残してばかりであった。

それは当然のことだろう。
いくら凄惨な記憶は一応消されたとはいえ、
目の前で母親が殺されるという体験をしたのだから・・・

しかも慣れない環境に慣れない人たち、
5歳の女の子であれば、まだまだ母親が恋しい時期だ。
ここにいるのは火天会の荒くれ護衛たちと自分だけだ。
子供が喜ぶ環境ではない・・・

サリャンは、
キハのためには友達が必要だと考えた。
しかしアブルランサの周囲には村もなく
遊び相手になるような友達もいない。

サリャンは大長老に掛け合った。
「キハ様のおすこやかな成長のために・」と。

望みは叶った。
虎族の末裔のなかから
キハと同じ年頃の子供たちが集められ、
遊び相手として毎日やってくるようになった。
また、その母親たちのなかから
一番気だてのよさそうな母親を選び、
日中子供たちと一緒にキハとすごすことにもなった。

最初こそ新しい友達にとまどっていたキハであったが
そこは子供のこと、すぐ仲良くなり、
子供たちの母親ともすぐ仲良くなった。

サリャンも常にキハと一緒にすごした。
時には遠くから護衛と一緒にキハを見守り、
時にはキハに誘われて人形遊びの相手をさせられることも。
また夜寝るときには決まってサリャンが添い寝させられ
なにか昔話をとせがまれた。
時にはうっかりサリャンまで寝入ってしまい、
朝まで同じ寝床ですごしてしまい慌てることも度々だった。

最初は「守り役」という任務にとまどうことばかりのサリャンであったが、
キハの顔には子供らしい笑みが常に浮かぶようになり、
日中たっぷり遊んで夜もぐっすり眠るようになり、
食事もにこにこと何でも食べるようになり、
サリャンはほっと胸をなで下ろした。


あるとき、
キハがサリャンに、野原で摘んできた花束を渡そうとした。

サリャンは受け取ろうとした。

しかし・・受け取れなかった。
サリャンの手は、花束の数センチ手前で空を切った。

キハは言った。
「サリャン!せっかく摘んできたお花なのに!
ちゃんともらってくれないと、お花さん可哀想でしょ!」

サリャンはキハに詫びながら呆然とした・・・

なぜだ・・?
確かにキハさまの差し出した花を掴んだと思ったのに・・?

遠近感がつかめなくなっていることを
そのときサリャンは実感した。

その夜、キハを寝かしつけたあとで
サリャンはこっそり寝室を抜け出して居間へゆき、
ありったけの燭台を持ち出してろうそくに火をつけた。

そして刀を手に持った。

果たして切れるのか・・?



結果は惨憺たるものだった。

確かにそこにろうそくは見える。
しかし、距離感がつかめないために
確かに切れたと思う感覚なのに
そこまで刃が届いてないものがいくつもあった。

至近距離だったら・・短剣であればなんとかなる。

しかし、普通の長刀の斬り合いになれば・・・
両目が開いたものでも、
ある程度の距離を保たなければならない、
敵との戦いになればまさに真剣勝負、
たとえわずかでも斬られればそれはダメージにつながり、
一手を外しただけでも命取りになる・・・
それはサリャンにはわかりすぎるほど分かっていた。


どうしたら良いのだ・・?
これではキハさまを守るどころか
いざとなったら自分があっさりとやられてしまう・・

それから毎晩、
サリャンはキハを寝かしつけたあと、
蝋燭に向かって刀を振る稽古をはじめた。

日中も、キハの機嫌が良く手がありそうなときには
ほかの若い護衛にキハの世話を少しの間とお願いし、
森の外れでひそかに木刀を振った。

しかし、難しかった・・・・

それでなくても片目でものを見続けるのは疲れるのだ。
そのうえになんとか刀を当てようと神経を集中するものだから
余計に疲れてすぐいらいらとし、
目を閉じていないといられなくなる。

どうしたらよいのか・・・・

サリャンは、いつもの蝋燭の稽古のあと、
いつものようにへとへとに疲れ果て、
新鮮な空気を吸おうと外に出た。

外は真っ暗闇だった。

サリャンは疲れた両目を閉じた。

そのとき・・感じた。


別荘の壁から伝わってくる圧迫感、
周りの木々、
自らがふみしめている大地からわきあがる
草木の青臭い香り・・・・気配を。


ふとサリャンはひらめいた。

命があろうとなかろうと、
どんなものであれ「気配」はある。

その気配を感じ取れれば
目だけに頼らなくても相手が斬れるのでは・・・?


それからサリャンは夜キハを寝かしつけたあと
キハの警護をほかの隊員に頼み、
布を両目に巻いて見えなくし、
庭にじっと座っていることが多くなった。

それを見て、他の火天会の隊員たちは笑った。

「あいつ、火傷して片目を失ったら頭まで変になったのか?」

それでなくてもサリャンはほかの隊員たちの妬みの的だった。

サリャンの出生、大長老の意向はほんの一握りの幹部、
そしてごくわずかの隊員しか知らずしかも口止めされていた。

虎族の末裔が優遇される火天会のなかで、
ある日突然やってきたサリャンが
どうやら大長老のお気に入りらしいことは
ほかの隊員たちの噂の種だったし、

青龍の神器を見つけ出しにいき
怪我をしたあと、キハ様のお守り役になったことも
ほかの隊員からすれば優遇に見えた。

片目のものは、普通刺客としては役に立たない。
良くて各地に散らばり情報を集める役に回されるか、
悪ければ戦いのときの先発隊に加えられて
盾代わりにされて体よく厄介払いされ、命を落とすのが常。
それなのに新参もののサリャンが
朱雀の守り主のお守役とは・・・?

そのため、今のサリャンは火天会のなかでは孤立している存在だった。
仕事のときは会話をしても、
サリャンに親しく話しかけるものは誰もいなかった。

そのうえにこの奇行なのだ。
隊員たちの噂の種になるのも無理はなかっただろう・・・


それから何年も経った。

キハは可愛らしい少女へと成長した。
いろんな道に秀でたサリャンが手ほどきしたおかげで
読み書きはもとより、高貴な方々の習うたしなみは
みなひととおり身につけた。

武術も、なかなかの腕になった。
ただ、なぜなのかはさっぱり判らなかったが
どうもキハは弓だけはからきし駄目であった。
すぐに的を外してしまう。
「私の義母、キハさまの母親であったかたは、ただ儚いだけの私の母とは違って、武術にも秀でたかたであった。
しかも女性ながらに「弓の名手」と言われたほどの腕前であったのに、
何故にキハさまは似なかったのか・・?」
とサリャンも首をかしげた。


サリャンは相変わらず夜中の瞑想を欠かさなかった。
次第に周囲の気配が敏感に感じとれるようになり、
まるで両目が見えるかのように思えることが増えてきた。

あるとき、キハ、サリャン、そして遊び相手の子供たちと
皆で山に遊びにいく機会があった。

山道を歩く途中でサリャンはふと立ち止まり、
道のすぐ脇の大きな木に向かって短剣を投げた。

「サリャン、どうしたの・・?」
キハが訪ねた。

その数秒あと、
その木から大きな蛇が落ちてきた。

猛毒の毒蛇だった。

短剣は蛇の心臓を見事にとらえていた・・・・



それからまた数年・・・

キハが「神官見習い」として宮殿にあがる日がやってきた。


朝食の席、
サリャンの心配りでキハの好物をすべて並べた食卓で、
いつもより食のすすまないキハが不安げに言った。

「サリャン・・私、大丈夫かしら?
神官見習いなんて私につとまるのかしら・・?
そこにいけば、もうサリャンとはしばらくあえないの??」

サリャンは、自分の義母に言われたことばに重ねて
キハにこう言った。

「キハさま、大丈夫ですよ、
私たちは、キハさまがどこに行かれても恥ずかしくないように
いままでいろいろなことをお教えしてまいりました。
ですから自信をお持ちください。
大丈夫です、キハさまなら・・・

時折夜中に神殿の近くに参ります、
そのときには密書をお送りします、
こっそり抜け出してきてください、
大丈夫です、またお会いできますよ」

キハはまだ不安げながらそれを聞いて
すこし元気そうな顔つきになり
皿に残っていた食事に手を伸ばしはじめた。

その様子を見てサリャンは想った。
「キハさまならば大丈夫であろう、
あのかたによく似て、
年の割には利発でしっかりしておられる。

でも、これから神官という立場と
朱雀の守り主、火天会の巫女というお立場のあいだで
板挟みになることがいずれ出てくる。
そのときには私が必ずお力にならなければ・・・・」


食事を終えて、荷物を持ち、
サリャンはキハを一緒に馬に乗せて国内城へと向かった。

サリャンの前に乗るキハの髪が
風に揺れてサリャンの頬にふれる、
少女の髪の香りをふと感じて、
サリャンは何故か胸の奥底が変にチクリと疼くのを覚え、
その感覚に自分でも戸惑った・・・・

国内城についた。

馬は火天会の隠れ家に預け、
そこでほんの少し休んだあとで
徒歩でお城・・・大神殿に向かった。


歩いている途中でキハは言った。

「サリャン、私の顔に何かついている?
さっき、大きな旗をもった子供が私の顔をじろじろ見ていたの。」

サリャンは言った。

「きっと私の顔の火傷が珍しくてそれでキハさまのことも見ていたのでしょう、
私はじろじろ見られることには慣れていますが
キハさまには嫌な想いをさせてしまいましたね、
なにもご心配なさることはありませんよ・・・」

城はもう目の前に迫っていた・・・・・・・



〜〜〜〜〜〜〜

サリャンはキハを送り届けたあと、
大長老の命により、とある戦いの最先端に送られた。

大長老はサリャンを試したかった。

「片目を失ったこのものが、どれだけ今後火天会の役に立つものか・・?」


結果は見事なものだった。

サリャンはたくさんの敵を見事になぎ倒し、
たくさんの味方の兵を救った。
視覚に頼らない、とぎすまされたサリャンの感覚は
屋根裏、床下、壁の外など
あらゆる殺気をかぎつけいとも簡単にそれらを討った。

殺気とは相当に強い「気」だ。

普段の生活の中にあるもの、
植物や品物の「気」を感じることを磨いていたサリャンにとって
その強い「気」を感じることは難しくはなかった。

片目であっても、誰にも劣らない働きをみせたサリャン、
それから、火天会の誰もが
サリャンへの陰口をぴたりと言わなくなり、
誰もが一目おく存在となり、
尊敬のまなざしでサリャンを見るようになった。

あちこちの国での戦いにあけくれる日々。
そのなかをぬって時折夜中にキハへ武術の稽古をつける、
それがサリャンの楽しみであった。


サリャンはどんどんと火天会のなかで
頭角を現していった・・・・


(追記)
いや〜、たったこれだけ書くのに2時間以上(^^;)
どうもキーボード操作がのろいし下手だし・・

「目隠しして周りの気を感じる」っていうのは
昔読んだ漫画とか、
実際に視覚障害のかたをとりあげた書籍からヒントをもらいました。
(多分漫画はスケバン刑事?歳がばれるわ〜)

この先はどれだけ書けるか不明でありんす、
実際の「太王四神記」のストーリーがちゃんとあるわけなので・・・
そこに描かれてないこと、あいまあいまを想像して、
もしくはドラマをサリャン目線で追っていくこともあるかもです。

しかし疲れた・・・もう当分書けないぞ・・・

明日は大学病院にて、親知らずの抜歯なのです(;;)
その前に書き上げられて良かったです。
どうやら近くの医者では手におえないようなんです。
明日からまた、抗生物質と痛み止めと
患部を冷やす保冷剤とお友達の生活だあ・・
これが最後の親知らず・・がんばります!


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コメント 4

naoko

素敵な大作でしたぁ~。本当に、これでテサギ番外編を製作してもらいたいぐらいですよ。私の脳内上映だけではもったいないです。サリャンがキハへの気持ちにちょっと気づいたシーンも入れて頂き、なお更楽しめました。
また何かがちえのすけ様に降りてこられるのを楽しみにしています。

それにしても、テサギは脇役の一人一人の立場になって考えると、皆自分の信念を持って生きているのですよ。
ホゲママでさえも、ドラマ登場場面だけ見ると、息子を王にしたいだけの気の強い母に見えますが、高句麗の王の血を引いているのは自分だけ(タムドクの父のことは本当の兄と思っていないですからね。)なので、自分の子供を王にしなかったら高句麗の王の血が途切れてしまうと考えた結果、タムドクが王になることを阻止しようとしたんですよね。特に「血」と大事にしてきた王家のことを考えただけなのかもしれないですね・・・。

なんかまとまりのない文章になりましたが、抜歯を前にしたちえのすけ様に「血」を連発したことをお許しいただきたいです・・・(笑)。

明日、頑張ってくださいね。
by naoko (2008-09-30 13:44) 

chienosuke

naoko様、コメントありがとうございます♪
テサギ番外編!ああ〜、そんなの叶ってサリャン主役の太王四神記が見られたら良いなあ〜♪でも現実には難しそうなので、是非脳内上映にて夢を見てくださいませ〜〜♪サリャンとキハの関係は微妙ですよね、ある意味チョロがスジニを想う気持ちに似てるというか・・ただ見守るだけでも満足なのかもしれない、今後どういう展開にしよう・・?
確かに太王四神記の脇役って、それぞれの信念というものを持って生きているように想えますよね〜、ホゲ母もそうだし、ホゲの父親もそうだし・・その精一杯さがまた魅力なのかもしれません、個人的にはコ将軍とか好きです、家族はいるのか?妻は?と想像がふくらむキャラのひとりです。
そうなんです、明日抜歯なんですよお〜〜〜(><)歯医者さんによっては、親知らずを抜かない温存療法をするところもあるようなんですが、私の場合はもう抜くことにしました!もうすでに3本抜いてしまっているし。年齢とともに抜きづらくなるんだそうです。明日はもう麻酔されたらまな板の鯉です(><)当分堅い物が食べられません〜、でもがんばります!



by chienosuke (2008-09-30 16:13) 

ROBOT-CAKE

chienosuke様~~~~!降りたのですね!!!!
素晴らしい・・・この言葉がつまらなく感じる程、言葉では言い表せないのが悔しいです。
貴方天才。(断言)
ちゃんとした感想はメールでも後ほどお送りさせて頂きます(ご迷惑でも送っちゃいます)が、前作にちゃんと続いていて、且つキャラのぶれがない、という事は、全編書き上げる事のできる方であると証明されたと思います。
(この喜びが伝わるでしょうか)

親知らず抜歯はちょっと恐いですね・・
歯科受付をくぐる際、サリャンがそっと背中を押してくれますように。
どうかご無事で!
by ROBOT-CAKE (2008-09-30 20:09) 

chienosuke

ROBOT-CAKEさま、コメントありがとうございます♪
うわ〜い、ほめていただけて嬉しいです♪いえいえ、天才なんてとんでもないです〜。以前そちらの掲示板に書いたときにROBOT-CAKEさまはじめnaokoさまたち、皆さんが喜んでくださったのが嬉しくて、なにか続きを・・と想っていたけれど思い浮かばず・・・でも、昨日のレスをいただいたので弾みがついた感じでした。
全編〜〜!!うわ〜それ大作過ぎ!とってもそこまで書けるかどうか・・?でも本当に書けたら楽しいだろうなあ・・いい出来になるかどうかは不明なのであまり期待しないでいてくださいね〜!
ああ〜、抜歯怖いです!ほんと、サリャンに背中押してほしいです!もし歯科医がサリャンだったらいくら抜歯されても嬉しいかも(爆)


by chienosuke (2008-09-30 22:16) 

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